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2017/01/01

平成29年 年頭のご挨拶

 旧年中は大変お世話になりました。本年もどうぞよろしくお願いします。
 組合員、地域の皆様におかれましては、ご家族と共に清々しい平成29年の新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。
 旧年中は当組合の事業、運営に深いご理解のもと、ご協力・ご参画を賜り厚く御礼申し上げます。
 東日本大震災・福島原発事故による避難者は未だ13万余となっております。復興も道半ばの中、昨年もまた熊本地震、東北・北海道への連続台風上陸など多くの自然災害が発生いたしました。被災されました地域の皆様には、心よりお見舞い申し上げます。常に被災地を思い、皆様に寄り添う気持ちを風化させる事無く、微力ではございますが復興支援を続けてまいります。
 さて、昨年4月に「改正農協法」が施行されました。「協同組合の理念」=「日本農業の衰退」あるいは「農協改革」=「農業所得の向上」と言った根拠のない議論から生まれたものではありますが、法律である以上これに基づき農協運営・経営を進めて行かなければなりません。根底にある「農業の成長産業化」=「小規模農家の淘汰と規模拡大・企業参入の促進」と「イコールフィッティングによる競争原理の導入」=「信用・共済市場の開放」=「資本による農協マネーと市場の収奪」は既定の政策路線となっているようですので、更なる「改革」=「農協解体」を農協組織は迫られる事になります。この「農協改革」には「そもそも論」がありません。「協同組合」が築き上げてきた歴史や経緯を無視して「新自由主義」を単に「上書き」しようとするものです。
 こういった「農協解体」のシナリオ作りを担っているのが「規制改革推進会議」です。この会議のメンバーは、「新自由主義」を主張する方々ばかりで、農協関係者は一人もおりません。たとえば日本人だけで尖閣諸島の話をすれば日本の主張だけが大きく結論に影響するでしょう。しかし、その中に一人でも中国人や外国人がいれば配慮が生まれそれぞれの立場、別の見方と言った他者性や多様性が生まれ結論も変わると思います。
 ところが、「規制改革推進会議」や人気者の自民党農林部会長の「一見農家の味方の様な」言葉や結論だけがメディアを通して、直接個人に伝えられる事により、そこには他者性や多様性が発生し無くなってしまいます。そうした構造により、メディアが特定のバッシング対象を作ると、皆がそれに同調してしまうと言うのが、今回の「農協改革」ではないかと思います。
 確かに、ここまで押し込まれたのは、農協組織自体にも原因があると思います。中央会・連合会は保身に走り「農業改革」を「農協改革」にすり替えられ、その目的が「農協解体」による農協マネーや市場の収奪であることに気付かず、必要な情報を単協にきちんと提供できなかった事。その対応の遅れにより、前述のようなメディア戦術により、反論するすべもなく組合員VS農協といった対立構造まで作られてしまった事です。
 そして、単協は連合会からの指示待ちで自ら考える事を怠り、又今迄において組合員の事業利用と還元、経済事業の担う責任、と言った総合事業としての各事業の関連性や環境の変化と農協の役割変化、「協同組合運動」は「理想論」「精神論」ではなく自らが組織と事業をつくり発展させてきた生活に直結した運動であり、事業を持たない政治運動や社会運動とは違う事など、「そもそも論」を組合員に理解して戴く事を怠り、事業優先から組合員を顧客扱いしてしまった事です。  農協組織は真摯にこう言った事に向き合い、まず単協が「連合会」に対してきちんと「良し悪し」を言い続けられる自立した組織になること、組合員と共に学習し時間をかけて説明し、理解して戴く事で今一度組合員が農協組織の主役となってもらう事が必須だと思います。
 組合員の皆様にはメディアの情報を整理して「規制改革推進会議」の意図する事を見抜いていただき、長い歴史を持つ「農業協同組合」の「そもそも論」は「何処」にあるのか「何」なのかを今一度共に学び、組合に求めるべきもの、結集する目的を明確にし、目先の損得にとらわれずに自分の家を守り・仲間を守る「自助による共助の組織」として「農業協同組合」を支えて戴きます様お願いいたします。
 当組合では、積極的な情報収集に努め、引き続き「農協改革」「改正農協法」への独自の対応を進めております。そして組合員目線で「連合会」に対してきちんと「良し悪し」を言い続けられる自立した組織であるために基本に忠実な運営と経営を常に目指し、運営の基盤である「組合員」との信頼関係を深め、健全経営を確保します。また「農協改革」「協同組合」へのご理解を深めていただくと共に様々なご意見をいただくために「支部座談会」「意見交換会」を引き続き開催してまいりますので、積極的なご参加をお願いいたします。
 世田谷目黒農業協同組合は皆様のご理解とご支援をいただき、相互扶助、地域との共生を実践し、協同の輪を広げ地域に貢献する「一歩先行くJA」を目指してまいります。
 新しい年が、組合員、地域の皆様方にとりまして、輝ける一年でありますようにご健勝とご多幸を心よりご祈念申し上げます。今後とも、世田谷目黒農業協同組合への変わらぬご理解とご協力・ご参画を賜ります様お願い申し上げまして、年頭の挨拶といたします。

                                      世田谷目黒農業協同組合
                                      経営役員会会長 飯田勝弘